プロダクト開発からオペレーショナルエクセレンスマネジメントへの転身

田島 裕也 | ラクスル事業本部CR部長

大学卒業後、新卒でリクルートに入社。不動産ポータルのシステム開発のプロジェクトリーダーを歴任。
その後、オイシックスとのJV設立やEC系の新規事業の立ち上げにプロデューサー兼開発プロジェクトマネージャーとして複数の事業の立ち上げを経験。
2014年10月よりラクスルにジョインし、システム部・プロダクト開発部の責任者を歴任後、現在はカスタマーサポートの責任者として
オペレーション改善や組織構築に従事。

 

 

ラクスル株式会社に入る前

今の自分の原点になっているのは、高校の時に「やればできる」ということを強烈に感じたことです。 それまで受け身な人生で、つまらなくて、ひきこもりかけていた自分が、一念発起して勉強を始めたこと。そして学年最下位の成績からトップクラスになれたこと。 それが、今の自分を作っています。 本当はできるのに、チャレンジしないからできないなんて、自分自身に対して申し訳ない。 それ以来、自分が苦手だと思ったことにチャレンジをしていく人生になりました。

大学に入ってから、苦手なスポーツにチャレンジしようとアルペンスキーのチームに入り、スキーに没頭し、スキー漬けの学生時代を送りました。 就職先をリクルートに決めた理由は、私が大学時代に専門にしていたIT系ではなく、営業中心の会社で何をやらされるかわからないドキドキ感で決めました。 入社後はシステム開発の部署でプロマネを5年やり、表彰もされ。チヤホヤされて過ごし、かなり順調でしたが、30歳のときにあえてその5年を捨て、次のチャレンジをすることを決めます。

新規事業のJVを立ち上げるという同期に誘われ、今までやったことも見たこともなかった経理・財務・法務、営業、M&Aなどの業務を毎日深夜まで、脳みそから火を出しながらインプット・アウトプットをし続けました。 そのおかげもあって、その後数年は「システムから法務・財務まで事業立ち上げの何でも屋」として7つくらいの事業を立ち上げることになります。

また、その中で自分が今後やっていきたい方向性がおぼろげながら決まってきます。 「無駄なことを仕組み化して効率化していくことに自分の時間を使いたい」 新しい事業を作っていくと、どんどんオペレーションが発生していきます。スピード優先なので、最初は手でやることが多いからです。 しかし事業が大きくなっていく中でほっておくとオペレーションは肥大化し、ボトルネックになってしまいます。サービスを作っていくのと同じくらい、オペレーションを仕組み化し効率化していくことは重要なのですが、それができている事業は少ないと思います。そのようなことをもっとやっていきたいと思うようになっていました。

そして、リクルートに入社して10年目の時にまた次のチャレンジをしようと決めます。 当時34歳。

その時点で何をするかを決まってなかったのですが、ぞくぞくするけど骨が折れることがやりたいな、と考えているときに、代表の松本を紹介してもらいました。 第一印象は「くそおもしろい」。印刷業界という最先端ITとはかけ離れた業界、壮大なヴィジョン、ヴィジョンと現状の大きなギャップ、でも実現できそうな予感。 自分の経験がそのギャップを埋めていいくことに少しでも役立つのではないか、そしてなによりも間違いなく自分がやったことがないチャレンジであること。 やらない理由がみつかりませんでした。

そして、ジョインすることを決めました。

ラクスル入社、システム・プロダクト責任者を経てオペレーション責任者へ

2014年10月にラクスルにジョインしてから、システム責任者、プロダクト責任者、印刷事業のプロデューサーなどいろいろなことにチャレンジさせてもらっていました。最初は少し結果がでたりもしましたが、その後あまりうまく成果を出せず、もんもんとする日々を過ごすことになります。

そんな時、印刷プロデューサーとしてラクスルのサービスをよりよくするにはどうすればよいか、ということを日々考えていたときに、ふと「現場がどう動いているのか、実感レベルでちゃんとわかっていない」と思い、カスタマーサポートチームのリーダーのところに毎日行って、日々何をやっているのか教えてもらっていました。そこで日々起きている生々しい現状を知っていくうちに、サービスとしてまず向き合うべきはこの現場なのではないだろうか、ここに本質的な課題がありそうなのに会社としてそこにむきあえていないのではないか、と感じるようになります。より深く理解したいと思った私は、席自体もカスタマーサポートチームに移し、チームメンバーと同じ席で仕事をするようになります。そして、カスタマーサポートのチームメンバーと日々話す中でその思いが確信に変わってきます。また、ちょうどそのころ、カスタマーサポートの組織がかなり不安定な状況になっていたこともあり、これはなんとかしなければならない、という想いを急速に強めます。

そして、2016年2月からカスタマーリレーション部というカスタマーサポートとオペレーションを統括する組織をつくり、その責任者になることを立候補し、担当しました。

現場に向き合い、組織変革を実行

しかし、すぐに課題解決の取り組みができたわけではなく、まずは組織状態とサービスレベルの回復が急務でした。それまでにプロダクト・ビジネスドリブンで進めた結果として残ったオペレーション負債が明らかにオペレーションを圧迫していたので、まずはその処理から進めていきました。そこから学んだこととして、「まずやってみる」という考え方自体はスタートアップとしてチャレンジをするのに必要ですのでオペレーション負荷が高くてもやってみるのは大事ですが、一方で、「だめだった」場合の処理がされておらず、負債がたまってしまうケースが多いということです。それを現場メンバーとの会話や業務分析からあぶり出し、無駄なオペレーションやすぐに解決できるものを一つずつ整理していきました。

また当時、サービス拡大のスピードに組織拡大が追い付かず、一部の業務を札幌にアウトソースを始めていたのですが、これが完全に悪循環に陥ってしまっていることもダブルで発生していました。組織・業務改善をしたいけれども、キャパシティに余裕がなく日々忙殺され、結果的に大量の退職者を出し、さらに忙殺されていくという状態でした。これを改善するために、アウトソースのマネジメント体制、契約内容をすべて見直し、業務も一時的に縮小させるなどの改革を進めるため、毎週のように札幌に行って対処していきました。

そして、3月にはなんとかカスタマーサポートを立て直したものの、4月には別のオペレーションが火を吹きます。繁忙期で予想以上にトランザクションが増えた結果、オペレーションキャパシティが完全にショートしてしまい、サービスレベルを大幅に悪化させてしまいました。会社全体としてサービス拡大に全力でコミットしているこのときに、自分の部署のせいでそれがうまくいかなくなっている責任感で、本当に毎日眠れないくらい精神的にきつかったです。この経験は私の中で一つの大きな信念を生み出します。それは「オペレーションがサービス拡大を止めてはならない。むしろ拡大を促進するオペレーションであるべき。」その危機もあの手この手を使ってなんとか乗り越えたときに、「組織自体を再構築しないと今後も同じことを起こしてしまう」という危機感を思い、組織変革に乗り出しました。

代表の松本が対談などでよく話をしていますが、1年以上の長期的な時間軸でサービスの課題に取り組む「プロジェクト」と社内で呼んでいる方法を導入し、その一つ目としてカスタマーリレーション部の現実に向き合い、組織を変革していく取り組みをスタートさせます。

※ラクスルの「プロジェクト」は三枝さんの「ザ・会社改造」で語られている企業変革手法をベースにしています。

品質が高く、拡張性のあるオペレーションの構築を目指し、新拠点として京都拠点をたてたり、人事制度自体を入れ替えたり、抜本的な施策を矢継ぎ早に実行していきました。それは上記の猛烈な反省から「オペレーションがサービス拡大を止めてはならない。むしろ拡大を促進するオペレーションであるべき」という信念でやりきり、今は安定したオペレーションを提供できる状態までもってくることができました。

そして現在

引き続きカスタマーリレーション部の責任者として国内外5拠点の150名を超えるメンバーとともに日々顧客、メンバー、オペレーションに向き合っています。拡張性の次はよりハイレベルな価値の提供とオペレーションを構築し圧倒的な価値創出をするべく、まさに今組織のアップデートを推進しています。

※海外拠点でもたくさんのメンバーが活躍しています!

今後どういうことをしていきたいか

もともとシステムやプロダクト開発にキャリアを歩んできた私ですが、カスタマーリレーション部でオペレーションの責任者としてやってきたこの3年間はサービスの根幹を支えるオペレーションに対する自己認識もかわり、現在では誇りを感じるようになりました。まさにオペレーショナルエクセレンスの実現の重要性を肌身をもって感じています。オペレーションはただの歯車ではなく、確実に変革を推進する非常にパワフルなものです。ラクスルの掲げる行動指針「ラクスルスタイル」の「Reality」「System」「Cooperation」すべてが求められるチームであり、すべての根幹は人にあり「人の成長」が乗算される組織です。

そしてラクスル、印刷事業にとどまらず、協力会社も含めたオペレーションの生産性改善や品質向上にチャレンジしていくことで、オペレーションの仕組を変え、世界をもっとよくしていきたいと思っています。

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