圧倒的成長を求めて。ラクスルBizDevの流儀|渡邊建 × 高城雄大

ラクスルは、今後さらに新しい産業での事業を展開していくために、「事業家人材」の育成・採用に注力しています。

本日は、BizDevというキャリアの醍醐味やラクスルでの事業開発について知っていただくために、
2019/5/24にNewsPicksに掲載された『圧倒的成長を求めて。ラクスルBizDevの流儀』より、ラクスル事業本部長渡邊とインキュベーション事業部長高城のインタビューをご紹介します。

 


 

印刷・広告、物流のシェアリングプラットフォームなど、テクノロジーを用いてレガシー産業を変革し続けているラクスル。アナログで非効率なワークフロー、商習慣が残る産業は、すべてラクスルの事業領域となり得る。

リアルなビジネスとテクノロジーでレガシー産業を革新していくのに大事な3つの能力、ラクスルスタイルがこちらだ。

今回はラクスル内で「事業家人材」として活躍する2人に、ラクスルで事業開発をする醍醐味について聞いた。2人の話には、まさにReality(高解像度)、System(仕組み化)、Cooperation(互助連携)の3つが体現されていた。さらにこの3つの能力とともに2人に感じられたのは、「成長」への飽くなき欲求と「オーナーシップ」だ。

大企業やコンサルを経て、ラクスルに参画した2人が見た業界変革の“Reality”を聞いた。

BtoBのプラットフォームを通じて、複数の産業を革新していくというビジネスモデルを持つラクスルでは、現在、新しい事業領域に参入する「事業家人材」を積極的に募集している。

成長を考えたら、コンサルよりラクスルだった

京都大学工学部・工学研究科卒業。2007年トヨタ自動車入社。トヨタ生産方式の本丸である車両組立工場で製造オペレーションやサプライチェーンの設計・改善に従事。主力モデルの切り替えやテスラとの共同モデル開発、国内最新鋭の工場立ち上げなどを経験。2017年7月からラクスルに参画、印刷事業SCM部の一員として、BtoB印刷プラットフォームのサプライサイド構築に取り組む。SCM戦略企画、パートナー工場BPR、物流最適化などを推進。SCM部長、新規事業開発責任者を経て、2019年から売り上げ100億円規模の事業を統括する印刷事業部長を務める。

前職のトヨタ自動車では、工場の製造オペレーションとサプライチェーンの設計・改善を担当していました。世界最高の生産性を持つトヨタのコアの考え方や仕組みを一から体で学ぶことができました。

自動車産業は、国内の産業規模でいえば印刷産業の10倍以上。先端的なことにも関われたし、規模も責任も大きかった。トヨタ自動車はこれまでに与えた社会へのインパクトの大きさ、一人ひとりまで浸透した危機感の強さなどでは、今でも日本で最高の会社だと思っています。

しかし社会的影響が大きい分、高い精度の企画立案と実行が求められる職場。数年で一通り業務を経験し、職位が上がって、再び過去と同じ仕事をし始めたころから自身の成長が鈍化して、危機感を感じ始めました。

私の人生の意義は、成長すること。環境と自身の望む働き方にズレが生じた状態では大きな成長カーブを描けないと感じ、転職を考え始めました。

当初は、戦略コンサルティングファームに転職しようと思っていました。正直言って、大企業で培った専門性やスキルセットは汎用性が高くありません。そのため、選択できるキャリアが競合企業や類似産業の同業種といった形で制限されてしまう。そう考えていた私は、キャリアのステップとして、その次の選択肢を広げるための転職を考えていたのです。

でも、次のキャリアのためだけに、数年間コンサルタントという仕事に心からコミットできるのだろうか、次のキャリアのためという言い訳でリスクを伴う意思決定を先延ばしにしているだけではないか、という点で迷っていました。自分の納得できる仕事で力を尽くしたい。そう思いつつ、もらっていた内定を辞退し、改めてどう働きたいか考えたのです。

そんなときラクスルからスカウトメールがきたんです。

最初は、ラクスルに自分の専門性が生かせる仕事があると思っていなかったので、「なぜ私にメールが送られてきたんだろう?」と不思議に思いました。はた目には、「最近はやりのシェアリングモデルの印刷マッチングサービスでしょう」と思っていましたから。

それでもラクスルがイノベーターであるということは知っていたので、話を聞きに行ってみると、驚かされました。

単にネット上で完結するサービスを作っているわけではなく、ラクスルが挑戦しているのは印刷業界そのものの変革であり、その中身はゴリゴリの事業開発。複雑性が高く他社が手を出したがらないリアル=サプライチェーン領域に、テクノロジーの力で切り込み、競争優位性を築こうとしている骨太な企業だとわかったからです。

ネット・テクノロジー企業でありながら、倉庫や配送でイノベーションを起こしてオペレーショナルエクセレンスを目指す、Amazonのような会社だなと思いました。

しかも、面接を通じて会う人たちがすべて魅力的。仕事のことを、本当に楽しそうに話すんです。どういう価値をお客様やパートナーに提供できるかディスカッションし始めると、止まらない。

私の面接のはずなのですが、どんどんアイデアが出てくる。優秀でビジョンに共鳴している人たちが、高い熱量で働いていることが伝わってきて、この人たちと事業を作りたいと感じ、入社を決めました。

パートナー、産業が変わるのを目の当たりにした瞬間

そして2017年に入社。印刷BtoBプラットフォームのサプライサイド構築を担当しました。

これまで生産性の概念を強くは持たず、手の込んだ「芸術品」を作っていた業界に対し、テクノロジーや製造業・インダストリーの視点を持ち込み、アップデートする。産業の在り方そのものを変革することがミッションです。このような取り組みは一朝一夕には成らず、長期戦略を描き、長い時間軸で理想に向けて一つずつ実現していく仕事です。

そうすると、これまでは生産性について重要視してこなかった、という方々が、以降、自発的に1分1秒単位の業務改善に取り組むようになったのです。

スタッフのみなさんの姿、そして実際の数字の変化を見て、自分の仕事が業界を変える第一歩になったという実感が得られました。その後も進化を続け、今では単なる生産パートナーというだけでなく、ラクスルプラットフォームにおける新しいサービスやテクノロジーのR&D工場となってくれています。

まさに、ラクスルのビジョンである「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」を目の当たりにした瞬間でした。

オーナーシップを持って仕事に取り組む、それが非連続成長を生む

仕事に取り組む上で一番重要視しているのは、事業に「オーナーシップ」を持つこと。ラクスルは一人ひとりに対してオーナーシップを強く求める会社です。

ユーザーと事業の解像度を誰よりも高め、自身で描いたあるべき姿に向かう。その過程で様々な摩擦や困難がありますが、ブレずにやり切るオーナーシップを持つこと。

ラクスルで与えられる裁量という意思決定権はオーナーシップと表裏一体だと思っています。

人に指示されて働きたい人にとっては、大変な職場かもしれません。でも、「自由度高く自分の事業を創りたい」「フルコミットして自らの手で事業を成功させたい」といった気持ちを持っている人には、最高の環境だと思います。

挑戦できるチャンスも多いです。私は社内公募の仕組みで立ち上げた「創造・変革プロジェクト」を通じて新規事業開発の責任者になりました。サプライチェーンを専門にやってきた人間でも、領域を広げて事業を創る機会とリソースを勝ち取れるのです。

プロジェクトの「型」に沿って事業プランを立て、審議会を通してボードメンバーと議論して磨き上げる。人を採用するのも、予算をどれくらい投下するかも、社内のリソースをどれくらい割くかも、自分で決められます。

結果として、自分自身の成長を強く感じています。今までよりも段違いに長い時間軸で事業を見ることができるようになりました。経営から現場レベルの視座の振れ幅で、事業を創る領域すべてを、解像度を限界まで高めて、長期目線での価値創造に取り組むことができる、ということです。BtoBプラットフォーム事業では再現性の高い事業開発能力が得られ、印刷以外の産業で事業を起こす時も必ず役立つと感じています。

私自身、ラクスルに来てから転職を後悔したことが一度もありません。毎日、仕事がめちゃくちゃ楽しいんです。ラクスルの成長モデルは、さまざまなレガシー産業に参入して、それらを変革していくというもの。今は印刷、物流が大きな柱となっていますが、また別の産業にもいつか参入するでしょう。

社内で事業家を育てていかないと、この成長モデルは成り立ちません。自由に働きたい、事業家のマインドを持った人材を待っています。

ネット印刷のユーザー体験を大きく変えた

1989年生まれ。横浜国立大学経済学部卒業後、NTTコミュニケーションズ、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)で勤務。インド現地法人で買収先企業や現地企業との事業開発、アジア各国にまたがるITインフラ構築、サプライチェーン、S&OPプロジェクトに携わる。2015年、ラクスルに入社。経営企画部で事業企画、生産管理、ECサービス開発に従事。現在は印刷事業における成長領域を束ねるインキュベーション事業部部長。

私は入社以来、印刷EC事業のBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)、新規事業の立ち上げを担当しています。

インパクトが大きかったのは、昨年リリースした印刷技術の開発プロジェクトです。

今までは専門家が目視でお客様が入稿されたデータをチェックし、印刷に最適な状態に手動で整えていました。これまで約15時間ほど待たなければならなかった入稿データのチェック・修正の時間を15秒で完了することに成功。人手で1日数千件のチェックをしていた業務を大幅に削減でき、事業の拡張性を強めました。

この機能は、印刷技術の先進国であるドイツに渡り、その領域に最もくわしいと言われている技術者を見つけ、顧問契約を結び、最先端の知見を加えながら自社で開発しました。システム構築のフェーズでは、自分でも自動処理に関するスクリプトを書きながら、設計・開発を進めました。

この取り組みの重要なポイントは単純にそのプロセスを自動化しただけでなく、Webサービスとして機能化するところまで踏み込んだ点です。

これにより、ラクスルが提供する印刷注文のUXそのものを大きく変えました。利用するユーザーにとって、入稿した後、注文が確定するのに1日待たされるのと、ワンクリックで印刷を依頼できるのとでは、発注できる印刷物の種類や用途が大きく広がってきます。

結果として、この機能は半数近いお客様に利用されるまでになっており、当時、直面していたリピート率の低下という課題を解消し、今も昨対ベースでリピート率が良化し続ける効果を生み出しています。

最近も、新しいECサービスを立ち上げました。これは、ボールペンやクリアファイルなど、ビジネスノベルティと呼ばれる領域の印刷サービスです。こうしたものは、紙とは違う印刷機を使い、印刷するアイテムも様々なところから調達しないといけません。これまで単独の印刷会社ではできなかったことを、私たちのプラットフォーム上であれば、一気通貫で請け負うことができるのではないか、と考え始めたのがきっかけでした。

こうした新しい仕組みや事業を立ち上げるときは、まず現場に入るようにしています。地方の印刷会社に何度も通い、社員研修に参加させてもらったり、工場で一緒に働いたりもします。それがReality(高解像度)を大切にする私の流儀です。

実際に人に会ったり、働いて現場を知ることで、産業に対する解像度が上がり、様々な課題が見えてくる。それをどう解決できるだろうか、というところから新しい仕組みや事業の種が生まれてきます。お客様やパートナーに対してメリットがあり、ラクスルも強くなる。そんな新しい仕組みや事業を立ち上げることが私のミッションだと考えています。

ラクスルの事業開発の醍醐味は、今の既存の産業や事業の延長線上にはない、非連続な変化を起こす「点」「きっかけ」を生み出せること。会社全体として非連続成長の創出に必要なリソースや時間をポジティブに捉えるカルチャーがあることは、非常に恵まれているなと感じています。

長期的に事業開発に取り組める環境

NTT、総合コンサルティングファームのPwCを経て、ラクスルに入社してから約3年半が経ちました。実は、入社してから1年で2つの事業に失敗しているんです。1つは、今回のビジネスノベルティのような新しいECサービスでした。今思うとお客様のニーズが見えていなかった。目標として掲げていた売り上げは達成していたのですが、非連続成長はできない、これでは「世界を変えられない」と考えて撤退しました。

2回連続で大きな挑戦に失敗した時は、事業開発に向いていないのかもしれない、と落ち込みました。でもラクスルでは、チャレンジしたこと自体を評価してもらえるんです。当人としては結果を出して評価されるべきだと思っていたこともあり、けっこうこっぴどく失敗したのに、次の挑戦により大きく投資してもらえたときは驚きました(笑)。

ラクスルでは打席に立つ回数も多く、その上で事業開発にじっくり取り組むことができます。先ほど言ったように、私はまず現場に入ることから始めますし、海外のリサーチも積極的に行います。

解像度を高め、確からしい仮説を持てたあとは、デザイナーチームとエンジニアチームでプロトタイプを作ります。それをお客様に見てもらい、フィードバックをいただき、方向転換や改善を重ねる。そうしたことを数カ月から1年かけてやるんです。これは、短期のノルマを課せられる会社ではできないことだと思います。

その結果として、ラクスルに入ったことで物事を長期的に考えるようになりました。前職のNTTにいたときも、PwCにいたときも、比較的短期のプロジェクトを持つことが多かったんです。3カ月という期限が先に決まっていて、その中で最もインパクトが出そうな解決策を模索し、提案する。

期限を切って結果を出すのも大事です。しかし、自分のやっていることが本質的な解決につながっているのか、という疑問は常に持っていました。産業構造自体を変革する、10年後、20年後も残るものを作るとなると、短期のプロジェクトだけでは限界があります。

ラクスルでは、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンを掲げ、時間軸を長くとってでも実現する変革に価値を置いています。一度時間という制約を取って、あるべき姿を描き、それを実現するためには何が必要なのか考える。

また、参入する事業領域がレガシー産業かつリピート率が高いため、市場環境の変化が遅く、競争が激しくなりにくい。こういった視点から見ても、時間軸をとって思考し、本質的な顧客価値を創り上げていくことは合理的だと捉えています。

ラクスルで人生が変わるくらい成長した

自分で言うのもなんですが、短期での成果を追い求めていた頃と、今の自分は別人といえるくらい思考が変わり、大きく成長したと思います。以前は与えられたことをこなすことで事業成長に貢献していましたが、今は新しい仕組みや事業を自ら創出する人。自分が学生時代に思い描いていた事業家、という職業をしているな、という感覚があります。

前職の仕事の延長でこの変化や成長はなかったと思います。短期のパフォーマンスを追い求め、「同期には数字で絶対に負けない」と意気込んでいた自分を思い返すと、少し恥ずかしい気持ちになります。ラクスルに入ったからこそ、そういった思考ができている自分がいると思えます。

成長できた理由を考えてみると、一つが「オーナーシップ」を強く求められること。ラクスルでは、「任せすぎでは?」と思うくらい、オーナーに意思決定を任せてもらえます。自分で考え、実行し、成果を出す。この試行を早いサイクルで繰り返すことで、ものすごく成長することができました。

ただし、誰かに何かを言われて、簡単に意見を変えるようではオーナーとして信任してもらえません。本当の意味で「オーナーシップ」をとるためには、「思考の独立性」が必要なんだと思います。誰よりもお客様やパートナーに向き合い、考え抜いた結果の言葉を発することができるかどうか。

それが当たり前にできるようになると、誰よりもその事業に対する思考が深まり、経営陣に多少のことを言われても、ビクともしなくなります。この「思考の独立性」があるかどうかは、経営陣からもメンバーからも常に見られています。その上で、「その事業は本当に世界を変えられるのか」ということを問われる。

もちろん確度の高い事業を立ち上げることも、何を言われてもぶれないスタンスを持つことも、いきなり求められると難しいでしょう。私自身も、ラクスルに入社してから鍛えられた部分がたくさんあります。だから、大丈夫です。世の中の仕組みを変える事業創出・事業開発に挑戦したいと思っている方とお会いできることを心待ちにしています。

 


 

制作:NewsPicks Brand Design
(編集:中島洋一 構成:崎谷実穂 撮影:吉田和生 デザイン:黒田早希)
https://newspicks.com/news/3908921

 


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@raksul_bizdev

 

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